日本株投資で使えるスクリーニング条件5選
日本株投資では、膨大な銘柄の中から有望な企業を効率的に見つけるため、スクリーニングの活用が欠かせません。スクリーニングとは、一定の基準を設定して条件に合う銘柄だけを抽出する方法です。ここでは、2025年10月時点で多くの投資家が実践している有効な5つの条件について、初心者にも分かりやすく解説します。
1. 割安性を測るPERとPBR
まず注目すべきは、企業の株価が割高か割安かを判断するうえで基礎となるPERとPBRです。PERは1株当たり利益に対する株価の倍率で、企業の収益力に比べて株価が低ければ低いほど割安と判断されます。一方、PBRは株価を1株当たり純資産で割ったもので、企業の資産価値を基準にした割安度を示します。2025年は金利上昇による株価調整が続いており、PERが抑えられPBRが1倍を下回る企業の中に実力企業が多く存在しています。これらの指標は他社と比較して使うことでより有効に働き、同業種内で割安な銘柄を見つける目安になります。
2. 収益性を見るROE(自己資本利益率)
ROEは、企業が自己資本をどれだけ効率よく利益に変えているかを示す指標です。高いROEを保っている企業は、資本を有効活用して収益を上げていることを意味します。日本企業では一般的に10%以上が好ましい水準とされ、継続的に高ROEを維持している企業は、競争力や経営の安定性が高い傾向にあります。2025年は円安の追い風を受け、輸出型産業や高付加価値サービス業においてROEが上昇している銘柄が注目されています。ただし一時的な数字に惑わされず、3年程度の平均値を見て安定しているかを確認することが重要です。
3. 財務の健全性を確認する自己資本比率
投資で長期的な安定成長を狙う場合、自己資本比率は欠かせない指標です。自己資本比率とは総資産に占める自己資本の割合であり、企業がどの程度自力で経営を支えているかを示します。おおむね30%以上を目安とすると、借入依存度が高くなく、景気後退局面でも倒産リスクが低い企業を選別できます。特に金利上昇局面では、負債コストが重くなるため自己資本比率の高い企業ほど安定した財務運営が可能です。日本株では製造業やインフラ関連にこの条件を満たす企業が多く、長期保有にも向いています。
4. 成長性を測る売上高成長率
安定性だけでなく、今後の拡大余地を見るためには売上高成長率が有効です。特に過去3年の平均売上高成長率がプラスで推移している企業は、市場環境に柔軟に対応しており、収益基盤が拡大している証拠です。業績の伸びが継続的な企業は株主還元にも積極的な傾向があります。2025年時点では、国内需要に依存せず新たな分野に展開している企業、特にDXや自動化関連などが安定した売上成長を示しています。初心者の方は、利益ではなく売上に注目して成長のトレンドを捉えることがポイントです。
5. 安定配当と増配傾向
最後に注目すべきは配当政策です。安定的に配当を行っている企業は経営基盤がしっかりしており、株主重視の姿勢が評価されます。特に配当性向が30%以下で、3年以上連続増配を続けている企業は、将来的にも安定した利益計上が期待できます。2025年は国内インフレの影響で現金価値が相対的に下がる中、安定した配当収入の魅力が高まっています。増配を継続できる企業は利益体質が強く、株価下落時のクッションにもなります。配当利回りだけに頼らず、配当性向や業績推移を併せて判断することが大切です。
以上の5つの条件は、単独で見るよりも複数を組み合わせて活用することで、より精度の高い銘柄選定が可能になります。特にPER・PBR・ROEの組み合わせ、自己資本比率と配当方針の連動分析などは、多くの熟練投資家が採用している手法です。日本株市場が変動を続ける今こそ、定量指標をもとに冷静なスクリーニングを行う姿勢が成果に直結すると考えられます。
もっと詳しく
1. 割安性を測るPERとPBR
概要
PERとPBRは株価の妥当性を判断する基本指標です。PERは株価を1株当たり純利益で割った値で、会社の利益に対して株価がどの程度評価されているかを示します。一方、PBRは株価を1株当たり純資産で割った数値で、企業の資産に対して株価が高いか低いかを測る基準となります。
具体例
例えば東証スタンダード市場でPBRが1倍を下回る企業は、資産に対して株価が低く評価されている可能性があり、業績回復や自社株買いなどによって上昇余地を持つ場合があります。
対策
投資を行う前に、PERとPBRが適正な水準かを同業他社と比較します。その上で、業界平均より低い数値の銘柄を優先的にスクリーニングすることが有効です。
対策のメリット
割安銘柄を選ぶことでリスクを抑えながらリターンを狙う投資が可能になります。また、相場全体が急落した場合でも、元々の評価が低いため価格の下落幅が比較的限定される利点もあります。
難しいポイント
PERやPBRは単純に低ければ良いというものではなく、業績悪化や成長鈍化による低評価の可能性もあります。そのため、表面的な数値だけで判断すると誤った投資判断を下しやすい点が課題です。
難しいポイントの克服方法
数値の背景を理解するために、過去3年分の業績推移や市場動向を確認し、一時的な業績不振か構造的な問題かを見極めることが必要です。
リスク
事業環境の変化により、割安と見えてもさらに株価が下がるケースがあります。特に景気後退局面では低PER銘柄が資金回収のために売られることもあります。
リスクの管理方法
複数の指標を組み合わせて判断し、資産全体の分散投資を徹底することで、特定銘柄の下落リスクを軽減できます。
投資家としてのアクションプラン
スクリーニング時にPERが15倍以下、PBRが1倍以下を条件とし、財務内容と成長戦略を合わせて評価することを習慣化します。
2. 収益性を見るROE(自己資本利益率)
概要
ROEは企業が自己資本を使ってどれほど効率よく利益を生み出しているかを示す指標です。企業の収益性と経営の効率性を測る重要な要素となります。
具体例
ROEが高い企業の例として、安定的に営業利益が増加している輸出関連企業が挙げられます。これらは資本コスト以上のリターンを上げていることが多いです。
対策
3年以上連続してROEが高水準の企業を選び、一時的な好業績に惑わされないようにします。業界平均以上のROEを維持している企業は特に長期投資向けです。
対策のメリット
企業が資本を効率的に運用しているため、長期的な成長が期待できます。株主還元に積極的な傾向もみられます。
難しいポイント
ROEが高くても一時的な要因や財務レバレッジが原因のことがあります。自己資本比率が低すぎる場合、ROEの高さだけでは健全性が保証されません。
難しいポイントの克服方法
ROEだけでなくROA(総資産利益率)も併せて確認することで、過剰な借入による見かけ上の高ROEを見抜くことができます。
リスク
ROEが長期間高すぎる企業は過剰投資や無理な事業拡大の可能性があり、反動的な利益調整が発生することもあります。
リスクの管理方法
財務諸表の注記を確認し、借入依存度や株主資本比率の推移を定期的にチェックします。
投資家としてのアクションプラン
ROE10%以上を目安に、3年以上の安定継続を条件としてスクリーニングに追加します。
3. 財務安定性を測る自己資本比率
概要
自己資本比率は企業がどの程度自力で運営しているかを示す安全性の指標です。特に不況期や金利上昇局面ではこの指標が重要になります。
具体例
自己資本比率が高い企業は、外部資金に頼らず経営を維持でき、不測の事態に強い特性があります。インフラ関連企業などは典型的です。
対策
スクリーニング条件に自己資本比率30%以上を設定し、負債依存度を低減できる体質の企業を選びます。
対策のメリット
金利上昇局面でも財務負担が増えにくく、長期的な安定収益を期待できます。
難しいポイント
成長フェーズの企業では、自己資本比率が低くなる傾向があり、高い比率だけで優良と断定できません。
難しいポイントの克服方法
売上高成長率や営業利益率と併せて分析し、低比率が成長投資によるものかどうかを見極めます。
リスク
財務健全性を過度に重視すると、成長企業を逃す可能性があります。
リスクの管理方法
ポートフォリオ内で安定型と成長型を分け、資金をバランス配分する方針を取ります。
投資家としてのアクションプラン
決算データを用いて、自己資本比率が安定推移している企業を四半期ごとにモニタリングします。
4. 成長性を測る売上高成長率
概要
売上高成長率は企業の事業規模拡大や市場シェアの伸びを評価する代表的な指標です。
具体例
ITサービスや自動化関連セクターなど、社会構造の変化に対応して売上を伸ばしている企業が該当します。
対策
過去3年間の売上高推移を確認し、継続的なプラス成長を維持している銘柄を抽出します。
対策のメリット
業績の安定拡大によって株価上昇の持続性が期待でき、長期的な資産形成に役立ちます。
難しいポイント
売上が増加しても利益が伴わない企業があります。コスト管理が不十分な場合、成長が株主価値に結びつかないこともあります。
難しいポイントの克服方法
営業利益率も併せてチェックし、売上の質を評価することが大切です。
リスク
成長期待が株価に織り込まれている場合、業績未達時に急落するリスクがあります。
リスクの管理方法
複数年度のデータを活用し、トレンドの持続力を確認することで過剰評価を避けます。
投資家としてのアクションプラン
成長率が安定し、利益率も改善傾向にある銘柄を中期投資対象として検討します。
5. 配当政策と増配傾向
概要
配当は株主への直接的な利益還元であり、増配の継続は企業の収益安定性を表します。
具体例
日本国内では連続増配を続ける企業が注目されており、株主重視経営の象徴とされています。
対策
3年以上連続で増配を実施している企業をスクリーニング条件に加えます。財務余力や配当性向を確認し、持続可能な水準かを見極めます。
対策のメリット
安定的な配当収入を得ながら長期保有できるため、資産形成の一助となります。
難しいポイント
一時的な好業績による増配では、翌年以降に減配するリスクがあります。
難しいポイントの克服方法
営業利益の推移とキャッシュフローの安定性を合わせて評価します。
リスク
経済環境の変化により配当政策が変更される場合、配当利回りに対する期待が崩れる可能性があります。
リスクの管理方法
配当以外にも株主還元姿勢を示す自社株買いの実施状況を確認し、総合的に判断します。
投資家としてのアクションプラン
増配履歴のある企業をポートフォリオの中核に据え、長期的なインカムゲイン戦略を実行します。
比較してみた
本記事では「日本株投資で使えるスクリーニング条件5選」というテーマに対し、反対の視点から「スクリーニングに頼らない投資スタイル」について考察し、両者を比較します。スクリーニングは定量的な指標を用いて効率的に銘柄を選定する手法ですが、それに対してスクリーニングを使わない投資は、企業の定性情報や現場感覚、社会変化への直感的な対応力を重視するアプローチです。
📊 スクリーニング投資の特徴
- PER・PBR・ROEなどの数値で割安性や収益性を判断
- 自己資本比率や売上高成長率などで財務健全性・成長性を評価
- 配当性向や増配履歴を重視し、安定収入を狙う
- 複数指標を組み合わせて、リスクを定量的に管理
- 初心者でも再現性が高く、効率的な銘柄選定が可能
🧭 スクリーニングに頼らない投資の特徴
- 企業訪問やIR資料、社長インタビューなどの定性情報を重視
- 業界構造の変化や社会的ニーズの変化に着目
- 数値に表れないブランド力や顧客ロイヤルティを評価
- 株価チャートや需給動向など、市場の感覚を重視
- 一部の投資家にとっては「肌感覚」や「直感」が判断材料
🔍 比較表
| 項目 | スクリーニング投資 | スクリーニング非依存投資 |
|---|---|---|
| 判断材料 | 財務指標・配当履歴 | 企業文化・現場情報 |
| 再現性 | 高い(誰でも同じ条件で抽出可能) | 低い(投資家の経験や感性に依存) |
| リスク管理 | 数値で分散・安定性を確保 | 情報の質とタイミングに依存 |
| 初心者向け | ◎(学習コストが低い) | △(経験と情報収集力が必要) |
| 銘柄発掘力 | 既存の優良銘柄に強い | 未発掘の成長企業に強い |
📝 まとめ
スクリーニング投資は、安定性と効率性を重視する投資家に向いています。一方、スクリーニングに頼らない投資は、企業の本質や変化の兆しを見抜く力が求められ、より能動的な情報収集と判断が必要です。どちらが優れているかではなく、目的やスタイルに応じて使い分けることが、長期的な成果につながるでしょう。
追加情報
日本株のスクリーニング条件に加えて、投資判断の精度を高めるために注目すべき追加情報を紹介します。これらは数値指標だけでは見えにくい企業の本質や市場環境を補完する要素であり、長期的な資産形成に役立ちます。
📌 業績予想と修正履歴のチェック
企業の業績予想は、将来の収益見通しを示す重要な情報です。特に「会社予想」と「アナリスト予想」の乖離や、過去の予想修正履歴(上方修正・下方修正)を確認することで、経営陣の見通しの精度や市場とのギャップを把握できます。上方修正が続いている企業は、予想以上の成長力を持つ可能性があります。
📌 株主構成と持株比率
安定した株主構成は、企業の経営方針や株価の安定性に影響します。例えば、創業家が一定の持株比率を維持している企業は、長期的な視点で経営される傾向があります。一方で、浮動株比率が高すぎると、短期的な売買により株価が乱高下しやすくなります。
📌 自社株買いの実施状況
自社株買いは、企業が株主還元を重視している証拠であり、株価下支えの効果も期待できます。特に、業績好調時に自社株買いを実施している企業は、株価上昇の余地があると判断されることが多いです。配当と合わせて総合的な株主還元姿勢を評価しましょう。
📌 セグメント別売上と利益構成
企業全体の売上や利益だけでなく、事業セグメントごとの構成比を確認することで、成長ドライバーやリスク要因を把握できます。例えば、主力事業が縮小傾向にある一方で、新規事業が急成長している場合、将来の企業価値は大きく変化する可能性があります。
📌 株価の位置とテクニカル指標
スクリーニングで抽出された銘柄でも、株価がすでに高値圏にある場合は慎重な判断が必要です。移動平均線(例:25日線、75日線)との乖離率や、RSI(相対力指数)などのテクニカル指標を併用することで、買い時・売り時の判断材料になります。
📌 業界構造と競合優位性
同じ業種内でも、競合他社と比較して優位性がある企業は中長期で安定した成長が期待できます。例えば、特許保有数、シェア率、価格競争力、顧客維持率などを調べることで、企業の競争力を定性的に評価できます。
📌 投資家向け説明資料(IR)の質
IR資料の充実度や分かりやすさは、企業の情報開示姿勢を示す重要な要素です。図表や具体的な数値が豊富で、将来戦略が明確に記載されている企業は、投資家との信頼関係を重視していると考えられます。
📝 まとめ
スクリーニング条件は投資の出発点に過ぎません。企業の本質を見極めるためには、業績予想の変化、株主構成、事業構造、IR姿勢などの追加情報を組み合わせて総合的に判断することが重要です。これらの視点を加えることで、より納得感のある投資判断が可能になります。
初心者でも安心!日本株スクリーニングの疑問をQ&Aで解決
日本株投資では、膨大な銘柄の中から有望な企業を見つけるために「スクリーニング」が活用されます。この記事では、初心者でも理解しやすいように、スクリーニングの基本条件や注意点をQ&A形式で整理しました。実生活や投資判断に役立つ具体例も交えながら、家族での活用にもつながる視点を紹介します。
Q&Aで学ぶ日本株スクリーニング
Q: スクリーニングって何ですか?
A: スクリーニングとは、一定の条件を設定して、条件に合う株式銘柄だけを抽出する方法です。例えば「利益率が高い企業」や「安定して配当を出している企業」など、目的に応じて絞り込むことができます。
Q: PERとPBRってどう使えばいいの?
A: PER(株価収益率)は「株価 ÷ 1株当たり利益」で、企業の収益力に対して株価が割安かを判断します。PBR(株価純資産倍率)は「株価 ÷ 1株当たり純資産」で、資産価値に対する株価の割安度を示します。2025年時点では、PBRが1倍以下の企業に注目が集まっています。
Q: ROEが高い企業は本当に良いの?
A: ROE(自己資本利益率)は「自己資本を使ってどれだけ効率よく利益を出しているか」を示す指標です。一般的に10%以上が好ましいとされますが、借入によって見かけ上高くなる場合もあるため、ROA(総資産利益率)も併せて確認すると安心です。
Q: 自己資本比率ってなぜ重要なの?
A: 自己資本比率は「総資産に占める自己資本の割合」で、企業の財務の安定性を示します。30%以上が目安とされ、借入依存が少ない企業ほど景気変動に強く、長期保有に向いています。
Q: 売上高成長率はどう見ればいい?
A: 売上高成長率は、企業の事業拡大や市場対応力を測る指標です。過去3年の平均成長率がプラスで推移している企業は、安定した成長が期待できます。特にDXや自動化関連企業が注目されています。
Q: 配当政策はどこを見ればいい?
A: 配当性向(利益のうち配当に回す割合)が30%以下で、3年以上連続増配している企業は、安定した利益体質と株主重視の姿勢があると判断できます。家族での資産形成にも向いており、配当収入を生活費やレジャーに活用する例もあります。
Q: スクリーニングだけで銘柄を選んでも大丈夫?
A: 数値だけに頼ると、業績が回復しない企業や一時的な好業績に惑わされることがあります。スクリーニングは出発点であり、企業のIR資料や事業内容も確認することが大切です。
Q: 家族で株主優待を活用するには?
A: 家族それぞれの証券口座で同じ優待銘柄を保有することで、食事券や商品券などの優待を複数受け取ることができます。ただし、権利確定日や保有株数の条件を事前に確認し、優待の有効期限にも注意しましょう。
まとめ
日本株のスクリーニングは、初心者でも効率的に銘柄を選ぶための有力な手法です。PER・PBR・ROE・自己資本比率・売上高成長率・配当政策などの指標を組み合わせることで、より精度の高い投資判断が可能になります。家族での資産形成や優待活用にもつながるため、実生活に役立つ視点を持ちながら、冷静に企業を見極めていきましょう。

あとがき
割安株を選ぶときの迷い
割安株を探すためにPERやPBRを重視してきましたが、実際には数値だけでは判断しにくい場面も多くありました。表面的に割安でも、実際の業績が改善しなければ株価が上がらないことを何度も経験しました。業績回復を見込んで購入しても、思ったように利益が出ず、資金が長く拘束されたこともあります。数値だけで安心してはいけないという思いを何度も持ちました。
収益性を優先しすぎた反省
ROEが高い企業は魅力的に見えましたが、その中には一時的な要因によって数値が良くなっているだけの例もありました。後から財務の仕組みを調べてみると、自己資本比率が低く、借入金によって見かけ上の効率が高くなっていた企業もありました。この経験から、指標の良さだけを追わず、企業の体力を見極める必要を痛感しました。同時に、利益率が少し低くても安定した企業のほうが持ちやすいことを学びました。
安全性を過度に重視した結果
自己資本比率が高い会社を中心に選んだ時期もありました。その結果、安定感は得られましたが、成長の勢いを逃したこともありました。慎重すぎて投資のタイミングを逃し、株価が上昇した後でようやく買いに入るということが何度もありました。安全性を求めるあまり成長の芽を見落とすことがあると気づきました。安定と成長のバランスを取りながら判断することが重要だと今では感じています。
成長性を重視して失敗したこと
売上高成長率の高い企業に注目した時期は特に期待を持っていました。けれども、売上が伸びても利益が伴わないケースに直面しました。市場が拡大していても、収益化が進んでいない事業では株価が伸び悩みました。成長率だけに目を奪われて企業の採算面を見落としたことを反省しています。今では、売上と利益の両方が着実に増えているかを確認するようにしています。
配当の魅力と油断
安定配当銘柄に魅力を感じ、長期保有を目的に選定したこともあります。ただ、配当を重視しすぎて業績悪化の兆候を見逃すことがありました。増配が続いている間は安心していましたが、実際には利益が減少し始めており、翌年には減配が発表されました。配当だけで企業を評価すると、経営環境が変わった時に対応が遅れることを痛感しました。やはり利益動向と同時に見なければ安定は得られません。
スクリーニングの数字への過信
スクリーニング条件を細かく設定しすぎて、数値のみに頼るようになっていた時期もあります。機械的に抽出された銘柄をそのまま買ってしまい、企業の実態を調べないまま保有して損失を出したことがありました。表に出てこない要因や経営方針の変化など、数字で測れない部分も重要だということを理解しました。数字はあくまで出発点であり、最終判断は自分の目で確かめる必要があると学びました。
焦りによる誤った判断
株価が下がり始めると、焦ってポジションを減らすことが何度もありました。その後に株価が戻り、焦りが無駄だったと感じることもあります。一方で、下落を見過ごしてしまった結果、含み損が膨らんだ経験もあります。上がる可能性と下がるリスクの両方を冷静に考えられない状態が失敗につながりました。損切りと保有の判断を感情に任せてはいけないという点を大きく反省しています。
情報の取り入れ方で悩んだこと
株式情報は多く、どれを信じてよいか迷う時期が続きました。特に、ネット上で話題になっている銘柄は勢いがあるように見えても、実際には業績が伴っていないこともあります。情報に振り回されて自分の判断軸を見失い、短期的な動きに流されてしまった場面が何度もありました。結果として、長期的な視点で見るべきだったと感じました。
反省すべき過信
自分のスクリーニング方法に自信がつくと、他の意見を聞かなくなることがありました。その状態で市場環境が変わると、調整が遅れて損失を出してしまいました。常に見直しと検証を続けることの大切さを感じました。また、以前うまくいった手法が次の局面でも通用するとは限らないという現実にも直面しました。
評価が安定している銘柄での油断
安定企業だからと安心して長く保有していた銘柄が、知らぬ間に市場シェアを失っていたことがありました。信頼していた企業の変化を見逃したまま状況が悪化し、早めの見直しを怠ったのです。安定を理由に過去の実績を過信していたことを強く反省しました。企業が持つ変化への対応力を注意して見ていくことの必要性を感じました。
分散投資の難しさ
リスクを避けようと分散しすぎた結果、利益を狙えなくなったこともありました。資金を多くの銘柄に分けすぎると、管理が追いつかなくなり、結果として全体の動きを把握できなくなります。一方で集中させすぎたときには、一銘柄の下落が大きな損失を生みました。その中で、分散の度合いを自分の資金規模と相談しながら検討することの難しさを感じました。
初心者の方に感じる共感
初心者の方がスクリーニングを使い始めたとき、数値に頼りたくなる気持ちを理解できます。数値はわかりやすく、安心感を与えてくれます。しかし、企業の中身を知る努力を怠ると、予想外の結果になることがあります。自分もまさにその経験を経て、数字の裏にある経営の質を見るようになりました。
投資判断での戸惑い
割安性と成長性、安定性と収益性のバランスを取ることは今でも悩みが多いです。どの指標を重視すべきか、どこで妥協するかの判断に迷う場面が多々あります。経済環境の変化も早く、同じ条件が次の時期には通用しないこともあります。
まとめ
日本株のスクリーニングは便利な手法ですが、万能な道具ではありません。条件設定を見直し続けなければ形骸化してしまいます。これまでの失敗を振り返ると、常に確認し続ける姿勢が一番重要だと感じます。市場の環境も企業の姿も変化し続けます。その中で、慎重に観察し、判断を急がず、継続して検証を重ねることが、長く投資と向き合うための基本だと考えています。
