日本株投資でリスクを抑えるための分散投資のコツ5選

日本株投資では、リターンを追うだけでなく「リスクをコントロールする」ことが重要です。
一つの銘柄に集中すると、市場の変動や企業不祥事で大きな損失を受ける可能性があります。
ここでは、リスクを分散しながら安定的に資産を増やすための5つのコツを紹介します。
1. 複数の業種に分散する
同じ市場内でも、業種ごとに景気の影響は異なります。
たとえば、景気拡大期には自動車や機械が好調になりやすく、逆に不況時は食品や医薬品が堅調です。
製造業・サービス業・IT・金融など、少なくとも4〜5業種に分けて投資しましょう。
2. 時間を分けて投資する
一度に全額を投入すると購入タイミングに左右されます。
毎月一定額を投資する「ドルコスト平均法」を使えば、価格が高い時は少なく、安い時は多く買えます。
結果として、平均取得価格を抑えながら長期で安定した運用が可能になります。
3. 時価総額の異なる銘柄を組み合わせる
大型株は安定性が高く、小型株は成長性があります。
例えばトヨタ自動車のような大型株と、成長スタートアップを数銘柄組み合わせるとバランスが取れます。
片方が不調でももう一方で補える可能性があります。
4. ETFや投資信託を活用する
個別銘柄を自分で選ぶのが難しい場合、ETF(上場投資信託)が便利です。
日経平均やTOPIXなどの指数に連動するETFなら、1本で広範な分散効果を得られます。
信託報酬(手数料)が低い商品を選ぶのがポイントです。
5. 海外比率も少し考慮する
日本株中心でも、一部を米国や新興国株に振り分けるとリスクがさらに軽減します。
為替の影響はありますが、地域の分散は大きなショック時の資産防衛に役立ちます。
世界経済の成長を取り込む意味でも、検討する価値があります。
参照元:日本取引所グループ
西東京カブストーリー
立川駅の北口は、朝から人とバスでにぎわっています。
その雑踏の中を、会社員の佐藤さんは早足で歩いていました。
頭の中は、昨夜チェックした株価のことでいっぱいです。
ボーナスをきっかけに、日本株投資を始めてから半年。
最初は含み益が増えて楽しくなりましたが、最近は値動きが激しくなってきました。
特に一つの銘柄に集中していたため、毎日の値動きに心が振り回されていました。
その日、仕事帰りに佐藤さんは同僚の中村さんに誘われます。
「今日さ、立川の”焼肉 年増苑”で軽く飲まない?」
駅から少し歩いた路地裏に、その店はありました。
赤いちょうちんが揺れ、煙とタレの香りがあたりに広がっています。
業種分散のコツを知る夜
カウンター席に座ると、中村さんは生ビールを一口飲んでから、ゆっくり話し始めました。
「最近、顔がちょっと疲れてるよね」
佐藤さんは、思わず苦笑いをします。
「実は、持ってる日本株が全部同じ業種で。
景気が悪くなったら全部一緒に下がるんじゃないかと、不安で」
中村さんはカルビを網に乗せながら、こう答えました。
「それは、典型的な業種の集中リスクだね」
「同じ日本株でも、自動車、食品、通信、医薬品、不動産。
業種が違えば、景気の影響の受け方もまったく違うんだよ」
焼けてきたカルビをタレにつけながら、中村さんは続けます。
「たとえば景気が悪くなると、真っ先にダメージを受けるのは輸出中心の企業。
でも、生活必需品やインフラ系は、比較的安定しやすい」
「だからこそ、同じ日本株でも、複数の業種に分けて持つ。
それが、リスクを抑える分散投資の一歩目なんだ」
佐藤さんは、メモ帳を取り出したくなる衝動を抑えながら、うなずきました。
時間分散という第二のカゴ
タン塩が運ばれてくると、話題は「買うタイミング」に移りました。
「ところで、一気に買っちゃったって言ってたよね?」
中村さんの問いかけに、佐藤さんはグラスを置きます。
「ボーナスが入った日に、勢いで全部買いました。
結果的に、その後に株価が下がってしまって」
中村さんは、レモンを絞りながら笑います。
「それね、気持ちは分かるけど、時間分散が効いていない状態なんだ」
「日本株って、短期的には上がったり下がったりを繰り返す。
だから、買うタイミングを一点に集中させると、運に左右されやすい」
「毎月一定額をコツコツ投資する。
そうすれば、高い時には少なく、安い時には多く買うことになる」
「これが、いわゆるドルコスト平均法。
結果として、平均購入価格がならされて、精神的にも楽になるよ」
佐藤さんは、ハイボールを一口飲んでから問い返します。
「でも、待っている間に上がってしまうこともありますよね?」
「もちろんあるよ」
中村さんは即答しました。
「でも、分散投資の本質は、『大きな失敗を避けること』なんだ」
「一番悪いタイミングで全力投資するリスクを減らすために、時間を分けていく。
それが長く市場に居続けるための工夫なんだよ」
大型株と中小型株のバランス
ホルモンが網の上で音を立て始めるころ、話題は銘柄のタイプに移りました。
「ところで、今持っている銘柄って、全部有名どころ?」
「はい。ニュースでよく見る大企業ばかりです」
「それはそれで悪くないけど、日本株の魅力は中小型株にもある」
中村さんは、トングでホルモンをひっくり返しながら説明します。
「大型株は、事業が多角化していて、業績も安定しやすい。
その代わり、急激に何倍にもなるような動きは少ない」
「一方で、中小型株は、成長余地が大きい企業が多い。
ただし、値動きも激しくて、下落するときのスピードも速い」
佐藤さんは、思わず首をかしげました。
「じゃあ、どっちを選べばいいんでしょう」
「そこで大事なのが、組み合わせなんだよ」
「ポートフォリオの土台には、大型の安定銘柄を置く。
そのうえで、自分が調べて納得した中小型株を、少しだけ乗せていく」
「つまり、安定と成長をミックスするイメージ。
そうすると、大型株がクッションの役割を果たしてくれる」
佐藤さんは、頭の中で自分の保有銘柄を並べ直していました。
そこには、中小型の成長株は一つもありません。
「ということは、今の僕のポートフォリオは、安定寄りに偏っているのかも」
「そうそう。偏りに気づくことが、分散投資ではいちばん大切」
中村さんは、そう言ってグラスを掲げました。
ETFで一気に広げる視野
肉の皿が一段落したところで、店員が石焼ビビンバを運んできました。
ジュージューという音と香ばしい匂いが、会話を少しだけ中断させます。
ビビンバを取り分けながら、中村さんが新しい提案をします。
「ところで、個別株だけで分散しようとすると、管理が大変じゃない?」
佐藤さんは、すぐにうなずきました。
「正直、会社から帰って一つ一つ決算を読むのはしんどいです」
「そんな時に役立つのが、ETFなんだよ」
「ETFは、日経平均やTOPIXに連動するものが多い。
一本買うだけで、日本株全体に分散投資しているのと近い効果が得られる」
「さらに、業種別のETFや、高配当株に絞ったETFもある。
自分のテーマに合わせて組み合わせれば、個別株よりも手軽に分散できる」
佐藤さんは、思わず前のめりになります。
「でも、個別株のワクワク感がなくなりませんか?」
中村さんは笑って、こう答えました。
「そこで考え方を変えるんだ。
ETFを『土台』にして、その上に個別株をのせるイメージ」
「ポートフォリオのコア部分はETFで市場全体を買う。
そのうえで、自分が本当に応援したい日本企業を、個別株で持つ」
「そうすれば、楽しさと安定の両方をねらえる」
佐藤さんは、そのイメージがしっくりきたようで、深くうなずきました。
立川から世界へ視野を広げる
ビビンバを食べ終えると、外の夜風が少し涼しく感じられました。
ふと、店の壁に貼られた世界地図のポスターが目に入ります。
「ところで、日本株だけに投資していると、気づかないリスクもある」
中村さんは、グラスの氷を回しながら話を続けました。
「日本には、人口減少や長期的な成長の鈍化といった課題がある。
一方で、世界には、人口が増え続けている地域もある」
「だからこそ、ポートフォリオの一部だけでも、海外資産に振り分ける。
それも、リスク分散としてはかなり有効なんだ」
佐藤さんは、少し驚いた表情を浮かべました。
「でも、海外株って、難しそうなイメージがあります」
「たしかに、個別の海外株を選ぶのは簡単じゃない」
中村さんは、ゆっくりと言葉を続けます。
「だけど、海外株に投資する投資信託やETFなら、ハードルはぐっと下がる。
たとえば、世界の株式に広く投資するインデックスファンドなら、一つで地域分散ができる」
「日本株をメインにしつつ、少しだけ世界にも目を向ける。
立川に住みながら、世界経済の成長も取り込めるわけだよ」
その言葉に、佐藤さんは窓の外の夜空を見上げました。
立川のビルの明かりの向こう側に、世界の市場がつながっているように感じたのです。
自分なりの分散ルールを持つ
最後にデザートのアイスが運ばれてきました。
空になった皿の数だけ、話した内容も頭の中に積み上がっています。
「結局さ」
中村さんは、アイスを一口食べてから言いました。
「分散投資って、単に銘柄をバラバラに買えばいいわけじゃない」
「業種、時間、銘柄のサイズ、商品タイプ、地域。
このいくつかの軸で、自分なりのルールを作ることが大事なんだ」
「たとえば、『一つの業種は全体の三割まで』とか。
『毎月一定額を投資する』『ポートフォリオの半分はETFにする』みたいな感じで」
佐藤さんは、心の中で自分のルールを組み立て始めました。
「僕も、今日からちゃんとルールを決めます。
なんとなく買う投資から、考えて分散する投資に変えたいです」
中村さんは、満足そうに笑いました。
「そうやって、感情ではなく仕組みでリスクを抑える。
それが、長く日本株投資を続けるための、いちばんのコツだよ」
会計を終えて、二人は焼肉 年増苑を後にしました。
立川の夜風は少しひんやりしていましたが、佐藤さんの足取りは軽くなっていました。
頭の中には、業種分散、時間分散、ETF、海外投資。
そして何より、自分だけの分散ルールという新しいキーワードが並んでいます。
「明日から、ポートフォリオを組み直してみよう」
佐藤さんは、そうつぶやきながら駅へ向かいました。
立川の街のネオンが、これから始まる新しい投資ストーリーを照らしているようでした。
日本株で失敗しない!初心者でもわかる分散投資Q&A
分散投資ってそもそも何ですか?
Q: 分散投資って、よく聞くけど実際には何をすればいいんですか?
A: 分散投資とは、一つの銘柄や業種にすべてのお金をかけるのではなく、
いくつかに分けて投資することです。
たとえば、同じ日本株でも自動車、食品、通信、医薬品など、
業種を分けて持つのが代表的な方法です。
こうすることで、ある銘柄が急落しても、
他の銘柄がそれをある程度カバーしてくれます。
結果として、全体の値動きが穏やかになり、大きな損失を防ぎやすくなります。
日本株だけに分散しても意味ありますか?
Q: 日本株だけでも分散投資の効果はありますか?
A: はい、日本株だけでも十分に意味があります。
同じ日本株でも、業種や時価総額、成長性が違えば、
景気の影響の受け方も変わります。
たとえば、景気が悪くなると輸出中心の企業は苦しくなりますが、
食品や医薬品などの生活必需品は比較的安定しやすいです。
そのため、日本株の中でも複数の業種や大型・中小型を組み合わせることで、
リスクをかなり抑えられます。
どれくらいの銘柄数が理想ですか?
Q: 分散投資をするなら、何銘柄くらい持てばいいですか?
A: 一般的には、個人投資家の場合、
日本株だけで10〜20銘柄程度の分散が一つの目安とされています。
あまり少なすぎると、特定銘柄の影響が大きくなりすぎます。
逆に、50銘柄以上にまで増やすと、
管理が大変になり、かえって効率が悪くなることがあります。
大切なのは、銘柄数そのものよりも、
業種やテーマが偏っていないかを意識することです。
時間分散ってどうやるんですか?
Q: 時間分散やドルコスト平均法って、具体的にどうやるんですか?
A: 時間分散とは、一度に全額を投資せず、
時間を分けて少しずつ買うことです。
代表的なのがドルコスト平均法で、毎月同じ金額を投資します。
株価が高いときは購入株数が少なくなり、
安いときは多く買えるので、結果として平均購入価格がならされます。
たとえば、毎月1万円ずつ日本株のETFや投資信託を買うようにすれば、
タイミングに左右されにくくなります。
ETFや投資信託を使うメリットは何ですか?
Q: ETFや投資信託を使うと、分散投資はどう変わるんですか?
A: ETFや投資信託は、複数の銘柄をまとめて扱う商品です。
たとえば、日経平均やTOPIXに連動するETFなら、
一本買うだけで日本株全体に近い分散効果が得られます。
個別株を一つ一つ選ぶ手間が減るうえ、
初心者でも簡単に広い分散ができます。
ただし、信託報酬(手数料)がかかるので、
長期投資ならできるだけ低い商品を選ぶのがポイントです。
海外株にも分散した方がいいですか?
Q: 日本株だけじゃなく、海外株にも分散した方がいいですか?
A: 日本株をメインにしつつ、
ポートフォリオの一部を海外に振るのは有効です。
日本には人口減少や成長鈍化という長期的な課題があります。
一方で、米国や新興国には人口が増え続けている国もあり、
世界経済全体の成長を取り込みやすくなります。
海外株の割合は、初心者なら全体の2〜3割程度から始めるのが一つの目安です。
自分なりの分散ルールはどう決めればいいですか?
Q: どうやって、自分に合った分散ルールを作ればいいですか?
A: 分散投資のコツは、感情ではなくルールで動くことです。
たとえば、次のようなルールを自分で決めてみましょう。
一つの業種は全体の3割までにする。
毎月一定額を投資する。
ポートフォリオの半分はETFや投資信託にする。
こうしたルールがあると、
急落しても慌てて売ったり、勢いで買ったりしにくくなります。
まずはシンプルなルールから始めて、
経験を積みながら少しずつ調整していくのがおすすめです。
まとめ
分散投資
日本株を一つの銘柄や業種に集中させず、複数に分けて投資する方法です。
リスクを広く分散することで、大きな損失を防ぎやすくなります。
業種分散
自動車、食品、通信、医薬品など、業種が異なる銘柄を組み合わせます。
景気の影響が違うため、一部が下がっても全体のダメージを抑えられます。
時間分散
一度に全額を買うのではなく、時間を分けて少しずつ投資します。
毎月一定額を買うドルコスト平均法を使うと、購入価格をならしやすくなります。
銘柄数とバランス
初心者には日本株で10〜20銘柄程度の分散が一つの目安です。
業種や時価総額のバランスを意識して、偏りを防ぐことが大切です。
ETFや投資信託
ETFや投資信託を使うと、一つの商品で多くの銘柄に分散できます。
日本株全体や特定テーマに投資できるため、初心者にも扱いやすいです。
海外株との組み合わせ
日本株をメインにしつつ、一部を海外株に振ることでリスクをさらに広げられます。
世界経済の成長を取り込みつつ、長期的な資産形成を狙えます。
自分ルールの作成
一つの業種は全体の一定割合までにする、毎月同じ金額を投資するなど、
自分なりのルールを決めておくと、感情で売買しにくくなります。
ルールに沿って分散投資を続けることが、長期的な成功の鍵です。
投資に関するご注意
本記事で紹介した銘柄や戦略は、あくまで情報の提供を目的としています。投資には価格変動リスクが伴い、元本を割り込む可能性があります。
実際の取引にあたっては、必ず証券会社の契約締結前交付書面等を確認し、ご自身の判断で投資を行ってください。
