初心者が最初に買うべき?日本株の選び方5つのポイント

初心者が最初に買うべき?日本株の選び方5つのポイント

初心者が最初に買うべき?日本株の選び方5つのポイント
投資を始める際に最も悩ましいのは「最初にどの株を買うべきか」という点です。特に日本株市場は銘柄数が多く、初心者にとって取捨選択は難しいものです。本テキストでは2025年9月時点の市場環境を踏まえながら、初心者が日本株を選ぶ際に重視すべき5つのポイントを整理します。

1 生活に身近な企業かどうかを確認する

初心者が株を選ぶ際は、まず自分が日常的に利用しているサービスや商品を提供している企業かどうかを考えることが有効です。知らない企業よりも、身近で実際に利用している企業のほうが業績や将来性をイメージしやすいからです。たとえば普段利用しているスーパーや通信サービスの会社であれば、その強みや課題を体感的に理解しやすく、投資判断のヒントになります。

2 業績が安定しているかを確認する

一時的な話題や流行で株価が上がっている企業ではなく、安定的に事業を続けている企業を選ぶことが重要です。売上や利益が継続して伸びている企業は、景気変動に左右されにくい傾向があります。特に国内市場で既に一定のシェアを確保している企業は、長期的に安定した配当や株価成長が期待できやすいです。

3 株主還元策に注目する

初心者が見落としがちなのが、配当や株主優待といった株主還元です。配当は企業が利益を投資家に還元する仕組みであり、株価の値上がり益に加えて収益の一部を受け取れる点で魅力があります。さらに、日本株は株主優待制度が整っている企業も多く、日用品やサービス券が受け取れるケースもあります。このような還元策は投資の安心感を高める効果があります。

4 企業の成長分野を把握する

日本経済は人口減少や国際的な競争環境の変化に直面しています。そのなかでも、成長が期待される分野に注力している企業は注目に値します。例えば、国内需要の変化に対応する内需型企業や、デジタル化や高齢化社会への対応に力を入れている企業などは、将来性を評価する上で重要な観点となります。初心者はまず、社会の変化と連動している企業を探すと理解しやすいです。

5 リスクを受け入れられる範囲を理解する

株式投資には必ずリスクがあります。株価は常に変動し、短期的には予想外の下落もあり得ます。したがって、自身の生活資金とは切り離して余裕資金で投資することが大切です。また、1つの企業に集中して投資するのではなく、数社に分けて投資することがリスクを抑える基本的な方法です。初心者にとっては「損をしても生活に支障が出ない範囲で投資する」ことを意識するのが第一歩です。

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1 生活に身近な企業かどうかを確認する

概要

株式投資を始めるうえで、最初の銘柄選びは大きな壁となります。特に初心者は、情報量の多さに戸惑いやすく、何を基準に選べばよいか分からないことが多いです。そのため、自分が日常生活で接している企業から選ぶことは、有効な判断軸となります。

具体例

例えば普段利用するスーパーやコンビニ、通信サービスを提供する企業などがあります。飲料メーカー、自動車メーカー、日用品メーカーなども身近であり、株式市場に上場している企業が多いです。こうした企業は利用頻度が高いため、サービスの質や人気度を生活の中で実感できます。

対策

普段の生活を振り返り、よく利用する商品やサービスを書き出すことから始めます。そのなかで上場企業かどうかを調べ、気になる企業をリスト化するのです。

対策のメリット

知っている企業を選ぶことで「理解しやすい」「関心を持ち続けやすい」という効果があります。初心者にとっては企業分析のハードルが下がり、学習意欲につながります。

難しいポイント

身近な企業といっても、必ずしも投資に適しているとは限らない点です。人気商品があるからといって、業績が安定しているとは限らず、誤った判断をしやすいです。

難しいポイントの克服方法

サービスの良し悪しだけでなく、企業の財務状況や市場での位置付けも確認することが必要です。証券会社の公式ページや四季報などの資料を参考にすると、生活感覚と経営実態の両面を把握しやすくなります。

リスク

感覚的な判断だけで銘柄を選ぶと、将来的に業績悪化に直面した場合のリスクを軽視する可能性があります。

リスクの管理方法

身近な企業をきっかけにしながらも、必ずデータや第三者の評価情報を見る習慣をつけます。この二段構えで投資判断の偏りを防げます。

投資家としてのアクションプラン

最初に自分の生活に登場する企業をリスト化し、それを元に財務状況を簡単に調べる習慣を持つことが最適です。

2 業績が安定しているかを確認する

概要

投資先を決める上で最も重視されるべき点のひとつが業績の安定性です。安定して利益を上げている企業には、継続的な価値成長が期待できます。

具体例

消費財を扱う大手メーカーやインフラ関連企業は、日常生活に欠かせない製品やサービスを提供しているため、需要が一定です。それにより、市況に左右されにくい安定的な業績を保ちやすい傾向があります。

対策

業績の安定性を見るためには、企業の決算内容を確認します。特に売上高と営業利益の推移に着目することが効果的です。

対策のメリット

安定した業績を持つ企業へ投資することで、株価の急変動や配当の減配リスクを避けやすくなります。

難しいポイント

初心者は財務諸表の見方に慣れていないため、数字から意味を読み解くのが難しい場合があります。

難しいポイントの克服方法

最初は決算説明資料や証券会社の要約レポートなどを利用すると、難解な会計用語を避けて理解しやすくなります。

リスク

業績が安定しているように見えても、社会や産業の変化によって中長期的にリスクを含む可能性があります。

リスクの管理方法

一社だけに資金を集中させず、いくつかの安定企業に分散投資することでリスクが軽減されます。

投資家としてのアクションプラン

2〜3社の安定企業を候補とし、定期的にその業績を確認する習慣を身につけることです。

3 株主還元策に注目する

概要

企業が利益の一部を株主に還元する仕組みは、投資を長続きさせるための重要なポイントです。日本株は特に株主優待制度が充実している点が特徴です。

具体例

配当を定期的に支払う企業や、株主に商品券や自社製品を贈る企業があります。これらは初心者にとって魅力的であり、投資の実感を得やすいです。

対策

投資先を選ぶ際に、配当の有無や過去の支払い実績、優待制度の内容を確認します。

対策のメリット

株価が大きく変動しない期間でも、配当や優待から実益を感じられるためモチベーションが維持できます。

難しいポイント

配当利回りだけに目を奪われると、業績に対して無理をして配当を出している企業を選んでしまうこともあります。

難しいポイントの克服方法

株主還元策を見る際には、利益と配当のバランスを確認し、持続性のある配当を継続している企業を選びます。

リスク

業績が悪化した場合に、配当や優待が縮小・廃止される可能性があります。

リスクの管理方法

配当だけを投資基準にせず、必ず企業の利益体質や成長力も並行して確認することが大切です。

投資家としてのアクションプラン

候補企業を調べるときは、配当方針の過去の変化を一覧化して、安定性を見極めます。

4 企業の成長分野を把握する

概要

日本は人口減少や市場縮小の課題を抱える一方で、新しい成長産業も生まれています。成長分野に取り組む企業は中長期投資で魅力的です。

具体例

デジタル化を進めるIT企業や、高齢化社会に対応した医療・介護分野への取り組みがある企業などが挙げられます。

対策

テーマ型の調査レポートや業界ニュースなどから、どの分野が拡大しているのかを把握します。

対策のメリット

長期の成長余地がある企業を見つけることで、投資資金が将来的に大きく育つ可能性が高まります。

難しいポイント

成長分野は話題性が高い反面、株価が既に高騰していることが多く、初心者にとって参入タイミングを見極めるのが難しい点です。

難しいポイントの克服方法

株価の一時的な動きよりも、企業の基本戦略や研究開発への取り組みを調べることが重要です。

リスク

成長が見込まれていた分野でも競争が激化すると、企業価値が下がる可能性があります。

リスクの管理方法

成長分野の銘柄に投資する場合でも、1社への集中ではなく複数の企業に分散することがリスク低減につながります。

投資家としてのアクションプラン

ニュースを定期的に確認し、成長分野を把握する習慣を持ち、そのなかで複数企業を比較検討します。

5 リスクを受け入れられる範囲を理解する

概要

株式投資には必ずリスクがあるため、初心者は自分がどの程度の損失を許容できるかを理解することが必要です。

具体例

生活費や緊急資金まで投資に使ってしまうと、株価下落時に生活基盤が揺らいでしまいます。投資は余裕資金で行うことが基本です。

対策

月々の生活費を差し引いた上で投資可能額を決め、リスクを抑えて資産を運用します。

対策のメリット

余裕資金で投資することで、株価の変動に一喜一憂せず、長期的な運用がしやすくなります。

難しいポイント

初心者は利益が出た際に投資額を不必要に急拡大してしまい、リスクをコントロールできなくなる傾向があります。

難しいポイントの克服方法

最初から投資額を明確にルール化し、感情任せで規模を広げないことが重要です。

リスク

大きな資金を一社や一時期に集中することで、相場変動による深刻な損失を招く可能性があります。

リスクの管理方法

資産を複数の銘柄、もしくは段階的に購入する方法をとることで損失を分散しやすくなります。

投資家としてのアクションプラン

最初に投資可能な資金枠を決め、それ以上は無理に投資を広げないという基本方針を守ります。

参考ページ: トウシル | 楽天証券の投資情報メディア

比較してみた

前回のテーマは「初心者が最初に買うべき日本株の選び方」でした。今回はその反対のテーマとして、初心者が避けるべき日本株の選び方を取り上げ、両者を比較します。投資の入り口で誤った判断を避けるための参考にしてください。

初心者が最初に買うべき株の特徴 初心者が避けるべき株の特徴
日常生活で馴染みがあり、事業内容を理解しやすい企業 事業内容が複雑で、自分が理解できないビジネスモデルの企業
業績が安定し、売上・利益が継続的に伸びている企業 赤字が続き、業績が不安定で急変動しやすい企業
配当や株主優待など、持続可能な株主還元策を持つ企業 一時的な高配当や過剰な優待で注目を集めるが、継続性に乏しい企業
成長分野や社会の変化に沿った戦略を持つ企業 将来性の低い分野に依存し、新しい市場や技術への対応が遅れている企業
自分のリスク許容度に合い、分散投資が可能な銘柄構成 資金の大半を一社や一業種に集中させる必要がある銘柄

まとめ

「買うべき株」と「避けるべき株」は、表裏一体の関係にあります。例えば、理解できる企業を選ぶことは安心感につながりますが、理解できない企業に投資すると情報不足から判断ミスを招きやすくなります。また、安定した業績は長期保有の安心材料ですが、不安定な業績は短期的な値動きに翻弄される原因となります。

投資初心者は、まず「避けるべき特徴」を明確に把握することで、自然と「買うべき特徴」に近づくことができます。これは数式で表すと、
良い投資判断 = (理解できる企業)+(安定業績)+(持続的還元)+(成長性)−(過剰集中)
というシンプルな構造です。

反対の視点から比較することで、投資判断の精度を高め、長期的な資産形成に役立てられるでしょう。

追加情報

銘柄選びにおける「タイミング」の重要性

どんなに優れた企業でも、購入するタイミングによって投資成果は大きく変わります。例えば、決算発表直後や株主優待の権利確定前後は株価が変動しやすく、初心者が慌てて購入すると高値掴みになることもあります。基本は「焦らず、複数回に分けて買う」こと。これにより平均取得価格を調整でき、リスクを分散できます。

簡易式で表すと:
平均取得価格 = (購入価格① + 購入価格② + …) ÷ 購入回数

情報の信頼性と取捨選択

SNSや動画で話題の銘柄に飛びつくのは危険です。情報の出所が不明確だったり、過度に煽られている場合もあります。初心者はまず「一次情報」に触れる習慣を持ちましょう。企業のIR資料、証券会社のレポート、四季報などが信頼性の高い情報源です。特にIR資料は企業の公式発表であり、事業戦略や財務状況を客観的に把握できます。

「割安株」の見極め方

株価が安いからといって「割安」とは限りません。重要なのは企業の価値に対して株価がどう評価されているかです。初心者でも使いやすい指標として「PBR(株価純資産倍率)」があります。PBRが1倍未満であれば、理論上は企業の資産価値より株価が低い状態です。ただし、業績不振や将来性の低さが原因で低PBRになっている場合もあるため、必ず他の指標と併せて判断しましょう。

簡易式:
PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産

「配当利回り」の落とし穴

高配当株は魅力的ですが、利回りだけで判断するのは危険です。配当が一時的に高くても、業績が悪化すれば減配や無配になる可能性があります。配当利回りは「過去の実績」であり、「未来の保証」ではありません。利回りの高さだけでなく、配当性向(利益のうち何%を配当に回しているか)や過去の配当履歴も確認しましょう。

簡易式:
配当利回り = 年間配当 ÷ 株価 × 100(%)

「分散投資」の実践例

初心者が陥りがちなのが「一社集中投資」です。たとえ優良企業でも、業界全体の不調や予期せぬ事件で株価が急落することがあります。そこで、業種や事業モデルの異なる企業を複数選ぶことで、リスクを分散できます。例えば、食品・通信・インフラ・小売など、生活に密着した分野を組み合わせると安定感が増します。

簡易式:
投資リスク = 個別リスク ÷ 分散数

「優待の実用性」と期限管理

株主優待は魅力的ですが、使いきれずに期限切れになるケースもあります。特に食品やサービス券は有効期限が短いことが多く、家族で分担して使うなどの工夫が必要です。優待の内容だけでなく「使いやすさ」「家族の生活に合っているか」も選定基準に加えましょう。また、スマホアプリなどで優待の期限を管理する仕組みを整えると、実益を最大化できます。

記事を書いた人

プロフィール
こんにちは!山田西東京と申します。株式投資を始めて10年以上の経験を積み、なんとか中級者くらいには成長したかなぁ、と自分では思っております。現在、勉強と反省を繰り返しながら株式投資に情熱を持って取り組んでおります。リスク管理に徹することが成功の近道と信じております。
参考サイト:会社四季報

あとがき

投資のリスクについて

株価の変動

株式投資は価格が日々変わるため、思わぬ下落に遭遇することがありました。価格が下がると不安になり、慌てて売ってしまったこともあります。そうした行動が結果的に損失を拡大させる原因になった経験があります。

情報の錯綜

情報が多すぎて、どれを信じていいのか迷う場面もありました。時には誤った情報や宣伝に振り回されることもあり、冷静な判断を欠いたこともありました。結果として、リスクに気づくのが遅れ、損失の一因になったこともあります。

とまどいの経験

初期の意思決定

何を基準に銘柄を選べばよいか判断がつかず、あれこれと手を出した時期がありました。選んだ銘柄の一部は業績が芳しくなく、値下がりが続き戸惑いました。初心者の方は特に、この局面で焦らず学びを重ねることが大切だと感じます。

感情のコントロール

株価の上下に一喜一憂しやすく、感情に流されて売買を繰り返してしまうことがありました。これが利益確定のタイミングを誤る一因となり、損失を拡大させました。冷静さの維持が難しい場面を経験しました。

反省すべきこと

分散投資の重要性

特定の企業に資金を集中させてしまい、想定以上の損失を被ったことがありました。リスクを抑えるためには複数銘柄に分けて投資すべきだと痛感しました。これを怠ったことで資産が乱高下する結果となりました。

長期的な視点の欠如

目先の株価変動に一喜一憂し、長期的な企業価値を見失っていたことがあります。短期間での結果を急ぎすぎる態度が、無駄な取引や余計な損失につながり反省しています。

注意すべきこと

自分の生活と資金管理

投資資金が生活費に影響を与えると、精神的な負担が大きくなり判断力が鈍ることを経験しました。資金の区分けを怠るとリスクが増大するため、慎重に管理する必要性を感じました。

情報の取捨選択

膨大な投資情報の中から信頼できるものを見極めることが難しいです。誤った判断を避けるために、情報源や内容の確認を怠らないことが重要だと学びました。

まとめ

株式投資は決して簡単ではなく、リスクと隣り合わせだと改めて感じています。初心者の方が慎重に判断する必要があることを、経験を通じて実感してきました。感情に振り回されず、冷静に情報を分析し、自分の資金状況を把握しておくことの重要性を認識しています。何よりも一度の失敗から学ぶ姿勢が大切だと考えています。着実に知識と経験を積み重ねながら、慎重に前に進むことが求められるでしょう。

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