日本市場の「バリュー株」の見つけ方
バリュー株とは、株価が安く、配当利回りが高いなど、割安な銘柄のことを言います。バリュー株は、市場の過小評価を利用して長期的に投資することで、高いリターンを得ることができるという戦略です。しかし、バリュー株を見つけるのは簡単ではありません。市場は常に変化し、割安な銘柄も時間とともに変わっていきます。また、割安なだけでなく、業績や成長性など、他の要素も考慮しなければなりません。では、日本市場でバリュー株を見つけるにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、バリュー株の定義や指標、探し方について解説します。
バリュー株の定義
バリュー株の定義は一様ではありません。一般的には、以下のような特徴を持つ銘柄がバリュー株とされます。
株価が低く、時価総額が小さい
配当利回りが高く、配当性向が高い
株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)などの割安度指標が低い
業績や成長性が安定している
これらの特徴は、バリュー株のスクリーニングに役立ちますが、必ずしも正確ではありません。例えば、株価が低くても業績が悪化している場合や、配当利回りが高くても配当が減額される可能性がある場合などは、バリュー株とは言えません。また、割安度指標も業界や企業ごとに基準が異なります。そのため、バリュー株を見つけるには、単純な数値だけでなく、企業の事業内容や戦略、競争力などを総合的に分析する必要があります。
バリュー株の指標
バリュー株を見つけるためには、以下のような指標を参考にするとよいでしょう。
株価収益率(PER):株価を1株当たり純利益(EPS)で割った値。低いほど割安とされる。
株価純資産倍率(PBR):株価を1株当たり純資産(BPS)で割った値。低いほど割安とされる。
配当利回り:1年間に支払われる配当金を現在の株価で割った値。高いほど魅力的とされる。
配当性向:1年間に支払われる配当金を1株当たり純利益(EPS)で割った値。高いほど配当に対するコミットメントが強いとされる。
売上高営業利益率(OPM):売上高に対する営業利益の割合。高いほど収益力が高いとされる。
売上高成長率(CAGR):過去数年間の売上高の複合年率成長率。高いほど成長性が高いとされる。
これらの指標は、バリュー株の候補を絞り込むのに役立ちますが、それだけでは不十分です。指標は過去のデータに基づいていますが、将来の業績や株価は必ずしも過去と同じになるとは限りません。また、指標は業界や企業ごとに異なる基準を持ちます。例えば、成長産業や新興企業は、PERやPBRが高くてもバリュー株ではないと判断されることがあります。そのため、指標だけでなく、企業の事業内容や戦略、競争力などを総合的に分析する必要があります。
バリュー株の探し方
バリュー株を探すには、以下のような方法があります。
スクリーニングツールを使う:インターネット上には、バリュー株を探すためのスクリーニングツールが多数あります。これらのツールでは、PERやPBRなどの指標を設定して、条件に合う銘柄を検索することができます。スクリーニングツールは、バリュー株の候補を見つけるのに便利ですが、指標だけで判断するのではなく、詳細な分析を行う必要があります。
バリュー投資家のポートフォリオを参考にする:バリュー投資家とは、バリュー株を長期的に保有することで高いリターンを得ることを目指す投資家のことです。バリュー投資家の中でも有名な人物は、ウォーレン・バフェット氏です。バフェット氏は、自身が経営するバークシャー・ハサウェイ社のポートフォリオを公開しており、その中に含まれる銘柄はバリュー株として注目されます。ただし、バフェット氏のポートフォリオは米国市場に偏っており、日本市場ではあまり参考にならない場合もあります。また、他人のポートフォリオを真似するだけではなく、自分で分析して判断する必要があります。
バリュー株専門のニュースレターやブログを読む:インターネット上には、バリュー株に関する情報を発信するニュースレターやブログが多数あります。これらのメディアでは、バリュー株の見つけ方や分析方法、おすすめ銘柄などを紹介しています。ニュースレターやブログは、バリュー株に関する知識や情報を得るのに役立ちますが、信頼性や中立性に注意する必要があります。また、他人の意見に惑わされることなく、自分で分析して判断する必要があります。