概要
日本株は、世界的な景気回復やワクチン接種の進展などにより、2023年にはさらなる上昇が期待されています。しかし、日本株には様々なセクターがあり、それぞれに特徴や成長性があります。今回は、その中でも特に注目すべきセクターを3つ紹介します。
まず、第一位は半導体をはじめとしたハイテクセクターです。半導体は、コンピューターやスマートフォンなどの電子機器の基盤となる重要な部品であり、需要が高まっています。特に自動車や産業機器などの分野では、半導体の不足が深刻化しており、価格も高騰しています。このため、半導体製造装置や電子材料などの関連連銘柄も好調です。例えば、電機・精密(TPX17)と素材・化学(TPX17)は、野村證券のアナリストによると、「来年度の日本株の業績を牽引する」ハイテクセクターとして選ばれています。
次に第二位は医療・バイオテクノロジーです。新型コロナウイルス感染症の流行やワクチン開発の進捗に伴い、医療・バイオテクノロジー関連連銘柄も注目されています。特に医薬品や医療療機器だけでなく、バイオメトリクスや遺伝子治療などの分野でも成長が見込まれています。例えば、三井住友フィナンシャルグループ(8316)と三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)は、「来年度から2024年度までの期間で売上高を前期比10%以上増加させる」という目標を掲げており、「医療・バイオテクノロジー」セクターとして評価されています。
最後に第三位はエネルギー・環境です。気候変動対策や再生可能エネルギーへの移行などにより、「エネルギー・環境」関連連銘柄も重要視されています。特に原子力発電所事故後の復旧支援や水素社会への参入などが期待されており、「エネルギー・環境」セクターとして注目されています。例えば、東京電力(9501)と東京エレクトロン(8035)は、「来年度から2024年度までの期間で売上高を前期比5%以上増加させる」という目標を掲げており、「エネルギー・環境」セクターとして評価されています。
特に
半導体をはじめとしたハイテクセクターに注目してみたいと思います。
半導体セクター
半導体は、情報通信技術(ICT)や自動車などの分野に欠かせない部品です。しかし、半導体の需要は、コロナ禍や米中貿易摩摩擦などによって大きく変動しています。2022年は、半導体不足や価格高騰が深刻化しましたが、2023年は回復復傾向にあります。特に、自動車や家電などの需要回復や、5GやAIなどの新技術への投資が見込まれています。
半導体セクターは、今年度(2023年度)から来期(2024年度)にかけて業績を牽引する予想になっています。野村證券のアナリストによると、
電機・精密経常利益予想約1兆円(前期比約13%増)、経常増益率約13%
化学経常利益予想約0.7兆円(前期比約16%増)、経常増益率約16%
これらの業種は、半導体製造装置市場や電子材料市場などで高い収益力を持っています。また、半導体製造装置市場では、自動車向け電子部品やや軽量化・省エネ化・高性能化への対応が進んでおり、
電機・精密自動車向け電子部品市場規模予想約1兆円(前期比約10%増)
化学軽量化・省エネ化・高性能化市場規模予想約0.5兆円(前期比約20%増)
という成長が見込まれています。
ハイテクセクター
ハイテクセクターとは、情報通信技術(ICT)やバイオテクノロジーなどを含む分野で活活躍する企業を指します。ハイテクセクターは、デジタル化やグローバル化に伴って需要が高まっており、
ICTサーバーやストレージデバイスなど
バイオ医療療機器やバイオマス発電など
という分野で強みを持っています。また、ハイテクセクターは、
技術革新力最先端技術を開発・提供する能力
競争力他社と差別化された製品やサービスを提供する能力
成長性新規事業や海外展開などで収益源を拡大する能力
という特徴を持っています。これらの特徴は、ハイテクセクターの企業が、不確実性の高い市場環境に対応できることを示しています。
ハイテクセクターは、今年度(2023年度)から来期(2024年度)にかけて業績を伸ばす予想になっています。野村證券のアナリストによると、
ICT経常利益予想約0.8兆円(前期比約15%増)、経常増益率約15%
バイオ経常利益予想約0.4兆円(前期比約20%増)、経常増益率約20%
これらの業種は、デジタル化やグローバル化に伴って需要が高まっており、
ICTデジタル化市場規模予想約2兆円(前期比約10%増)
バイオグローバル化市場規模予想約1兆円(前期比約15%増)
という成長が見込まれています。
まとめ
以上のように、日本株市場で来年注目すべきセクターは、半導体をはじめとしたハイテクセクターだと言えます。これらのセクターは、半導体不足や価格高騰、デジタル化やグローバル化などの市場環境に対応できる技術革新力、競争力、成長性を持っています。また、自動車や家電などの需要回復や、5GやAIなどの新技術への投資も見込まれています。これらの要因が、半導体やハイテクセクターの業績を牽引すると考えられます。
このブログは、日本株市場で来年注目すべきセクターについての私の個人的な見解です。投資判断は、ご自身の責任で行ってください。また、このブログの内容は、2023年12月26日時点のものであり、今後変更される可能性があります。最新の情報は、ご自身で確認してください。